焼入れでのお困り事 8

何時も閲覧して頂き有難う御座います。

今回は、完全焼頓に付いて書かせて頂きます。

完全焼頓とは何か、前回でも書かせて頂きましたが焼頓には応力除去焼頓、球状化焼頓、完全焼頓と種類が有り

用途に応じて処理内容が変化します、完全焼頓は一度焼入れをした製品を元の組織に戻したい、若しくは

加工にて生じたストレスを完全に除去したい場合に使用します。

まず組織を元に戻すとはどの様な事か焼入れを行なった場合

組織の変化にて焼入れを行いいますが、焼入れ後に加工忘れが有り加工をしたい場合に使える処理として

応力除去焼頓、完全焼頓の2種類が有りますが、出来る事で有れば完全焼頓で組織を戻す事をお薦めします

応力除去焼頓でも加工の出来る状態までは戻せますが完全には組織が戻りきっていない為焼入れの際に

歪みが予想以上に出る場合が御座います。

加工により生じたストレスを完全に除去したい場合とは3D加工などで作成した金型などの場合は、焼入れ後に

歪取りを行う事が困難な場合が御座います。精密金型などの焼入れ前処理として使用する事が有ります。

応力除去焼頓ではダメなのか?そうではなく完全にストレスを抜く事で歪みの軽減(応力除去では完全には抜けきりません)させる事で製品の品質維持をさせる事になります。

長々と書いてしまいましたが、結論としては用途に応じて色々な組み合わせが出来るのが焼頓と言う事で有り

リカバリーの効く処理で有るといえます。

最近では新型のオミクロンウイルスが猛威をふるっています、9月からは国産ワクチンの接種も始まります

早く収束して欲しいと思います。