焼入れでのお困り事 4

何時も閲覧有難う御座います

今回は焼き割れ、ヒビ割れに付いてご紹介致します。

皆様もご経験が御座いませんでしょうか?

依頼したら割れていた、ヒビが入っていたなどといった事が・・・

原因としては焼入れ時における歪み割れ、歪み取り時におけるヒビ割れ等が考えられます。

プレート物では中央に肉厚の薄い部分が有る場合薄い部分の冷却が早く冷却差が生じ歪みの発生に耐え切れず割る事が御座います。

ヒビ割れに付きましては主にSK類歪み取り時におけるバーナー加熱時の温度差でヒビが入る事が御座います。

対策としてはダイス鋼類に付きましては、カーボンの上に置くなどで直接風が当たらない様な対策は取れますただ  完全に予防出来る物ではない為場合によっては発生する事が御座います(お困り事 3の事象が当てはまります)

SK類に付いては歪みの出にくい炉での処理、又は比較的歪みの出にくいバスケットの中央部に置くなどの対応は 出来ますがこちらも完全に予防出来る物では無い為場合によっては発生する事が御座います。

ご依頼の際にはお気軽にお声をお掛け下さい、適切なご回答をさせて頂きます。

またお客様にご了承を頂き処理を開始させて頂きます事が御座いますので宜しくお願い致します。

いよいよゴールデンウイークが始まりました、今年は規制の無い連休となりましたが感染者数がまだ多く予防処置を講じた上で楽しい連休を御過ごし頂きたいと思います。皆様に楽しい思い出が残ります様に!

焼入れでのお困り事 3

 こんにちは。当ブログを閲覧いただき誠にありがとうございます。今回は前回予告の通り、熱処理時の歪み・割れについて記載していきます。


 例として円筒形の製品(ここでは中抜け製品、いわゆるパイプ形状品についてとなります。)パイプ形状品の焼入れ時の注意点としまして、焼入れ後に楕円形状に歪みが出る可能性がございます。

 SK系及びダイス鋼系等鋼材の種類を問わず、歪みは発生いたします。一度発生してしまうと歪みを修正することは非常に困難になります。その為、ご依頼の際には内、外径に研磨代を十分に確保していただく必要があります。あくまで一般的にですが、0.4㎜程度の研磨代をとっていただく必要がございますが、肉厚・形状により異なります。

 1つの対策として、研磨代をつける以外に処理後にワイヤーカットをする方法もございます。ただし、この場合ワイヤーカットに対する熱耐性を製品に付与する必要が出てくるため、その場合硬度が低下いたします。

 熱処理時の対策方法として、製品の中にダミーの治具を入れて焼入れを行うことも可能です。ただし、この場合はSK系の製品については適用不可となります。理由としましては、油による冷却の際に油が製品とダミーの間に入らず冷却不良を起こし、硬度・金属組織が品質規格に満たないといった可能性がございます。

 以上の点から、適用できる対策が限られますのでご依頼の前にご相談いただければ幸甚に存じます。また高周波焼入れ、ソルト焼入れの対応も可能ですのでお気軽にご相談下さい。

 ウクライナ問題で世界中が慌ただしい状態になり悲しい現実が連日報道されております。戦争が肯定される事は決してありません。一日で早く終戦することを願うばかりです。早く笑顔の溢れる日が来る事を期待しています。次回は明るい話題で投稿出来る事を願っています。

株式会社メタルヒート(真空熱処理)
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